2016年4月14日に熊本や大分を襲った「平成28年熊本地震」。発生から数ヶ月が過ぎましたが、今なお断続的な余震が続いています。震災直後から様々な支援活動がなされる中、「同じ九州に住むものとして、福岡のカフェ業界で何かできることはないのか？」そう考えてスタートしたのが、この「青空カフェプロジェクト」。福岡のカフェ業界内で有志を募り、避難所にいらっしゃる方に温かいコーヒーを届けるプロジェクトです。このページではこれまでの青空カフェでの活動リポートをご紹介させて頂きます。（最終更新日：2016年6月14日）

第1回の青空カフェは、震災から2週間が経過した5月1日に行うことになりました。熊本市役所さんに調整をお願いした結果、場所は熊本市西区にある熊本西区役所に決まりました。区役所の隣にある公民館が避難所になっており、震災からまだ2週間しか経過していないこともあり、たくさんの方が避難所生活を余儀なくされていました。

初めての試みで準備不足がたたり、スタート時間は予定より大幅に遅れる事に。ただ、多くの方がSNSでの拡散にご協力いただいたおかげもあって、スタート直後からたくさんの方にお越し頂きました。この日用意したコーヒーは500杯。さらにケンジーズドーナツさんのドーナツや、カフェカクタスさん、CAFEありんこさんからは焼き菓子をご協賛頂きました。

僕らがやるべき事は「美味しいコーヒーでわずかでもほっとできるひとときをご提供させていただくこと」。コーヒーを提供させて頂く中、皆様からは「コーヒーはずっと飲んでなかったので本当に嬉しい！」「淹れたては本当に美味しいね！」「ずっと温かいコーヒーが飲みたかった！」といった嬉しい言葉をたくさんかけて頂きました。

避難所には被災者の方だけでなく、行政の方を中心に全国から復興支援で訪れている方もたくさんおられました。特に医療関係者の方は、ずっと施設内で診察を行っているので、外に出るのもままならないという声を聞き、コーヒーをポットでご提供させて頂きました。大変な状況の中でもたくさんの方の笑顔に出会えた第1回青空カフェ。「この活動は出来る限り継続して行こう」そう固く心に誓いました。 ◆第1回青空カフェ参加メンバー／ロースターズカフェマノマノ・HAPPY HILL・HOLAMINORIA・CAFE M²・株式会社カリタ・CAFE@TRIBE ◆協賛／ケンジーズドーナツ・カフェカクタス・CAFEありんこ・タウンスクエアコーヒーロースターズ（順不同・敬称略）

第2回の青空カフェは震災からちょうど1ヶ月を経た5月15日に実施しました。当初は被害が大きかった益城町で行う予定でしたが、受け入れ体制が整っていないということで、再び熊本市で行う事に。熊本市役所さんにマッチングして頂いた結果、実施場所は中央区にある熊本市総合体育館に決まりました。2回目なので、テントやブースの準備も迅速にできました。

10時のスタートの合図とともに、多くの方にお越し頂きました。また、今回は福岡県喫茶組合の理事を務めておられる平田さんにもご参加頂き、ホットコーヒーはこだわりのネルドリップでご提供して頂きました。名人芸のようなドリップさばきに、カフェオーナーたちもついつい見入ってしまいます。

前回アイスコーヒーのオーダーが追いつかなかったこともあり、今回はカリタさんから水出しコーヒーのマシンを投入して頂きました。なんと30分で50杯の水出しコーヒーができてしまうという素晴らしいマシンです。おかげでお待たせすることなくキンキンに冷えたアイスコーヒーのご提供が可能になりました。また、今回も様々な店舗様より合計500個ものスイーツをご協賛頂きました。本当にありがとうございます！！

熊本特有のとても暑い１日となりましたが、避難所にいらっしゃる方はもとより全国各地からお越しになられているボランティアさんや行政関係者さんなど、たくさんの方にコーヒーとスイーツを提供させて頂きました。また、熊本のグッドディールカフェからは副店長の奈須さんにご参加頂きました。ご自身も被災された身でありながら「何か恩返しをしたい」という思いから青空カフェにご協力頂いた奈須さん。本当にありがとうございました！ ◆第2回青空カフェ参加メンバー／ベニールカフェ・キャナリーカフェ・カフェカクタス・グッドディールカフェ（熊本）・株式会社カリタ・CAFE@TRIBE ◆協賛／おやつモダン花野季・CAFEありんこ・オオカミの口・NANA CAFE・R cafe（順不同・敬称略）

第3回目となった青空カフェ。今回の目的地は西原村です。ここで活動しているボランティアさんの要請を受けての実施となりました。この西原村は前震となる4/14に震度6弱、本震となる4/15に震度7が観測され、熊本地震でも多大な被害を受けたエリアです。車で西原村に向かう途中、多くの家屋が倒壊し、山肌が崩れた悲惨な光景が見受けられ、ただただ絶句するばかりでした。場所は西原村にある西原中学校の体育館。初の屋内での実施となりました。

体育館にいらっしゃる方にマイクで呼びかけると、早くも行列が。これまでドリンクはコーヒーしか提供できず、お子様にはちょっと悲しい思いをさせてしまっていたので、今回はミルクを持参してお子様向けにカフェオレも提供させて頂きました。甘目にしあげたカフェオレにお子様たちも大満足のようでした。

西原村の避難所は何カ所かに分散しているので、今回は初の試みとしてポットを片手に「出張青空カフェ」も行いました。数カ所の避難所にデリバリーした後は、西原村のボランティアセンターへ。ここは全国から集まったボランティアさんの拠点になっているところです。ちょうど作業が終わった時間帯を見計らって、冷たいアイスコーヒーをご提供させて頂きました。日々復興に携わって下さっているボランティアのみなさん。本当にお疲れさまです。

この日の西原村は暑くもなく・涼しくもない1日でした。当初アイスコーヒーが多いと思ってたくさん仕込んで行きましたが、予想外にホットのオーダーが多かったです。また、今回はカフェ業界のみならず、一般のボランティアさん（キャナリーカフェの常連さんとカフェトラのユーザーさん）にも青空カフェにご参加頂きました。こうしてだんだん青空カフェの輪が広がっていくのもうれしく感じました。ご協力頂いたみなさん、ありがとうございました！ ◆第3回青空カフェ参加メンバー／キャナリーカフェ・HAPPY HILL・株式会社カリタ・CAFE@TRIBE＆一般のボランティアさん3名 ◆器具協賛／株式会社カリタ・ロースターズカフェマノマノ（順不同・敬称略）