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今なお発展を続ける福岡の街。大きな商業施設やマンションなどの建設ラッシュで街全体が新しくなり活気づいて行くのはとても喜ばしい事ですが、「古き良き福岡の街並み」が年々少なくなっているようにも感じます。
今回のカフェトラ探検隊ではそんな昔ながらの面影を残す「昭和の香りが漂う商店街」にスポットを当ててみました。
※この情報は2006年5月時点のものです。現在の情報とは異なる場合があります。何卒ご了承下さい。

国道202号線沿いの別府エリアは近年地下鉄も開通し、街並みも随分新しくなりました。
春の暖かい日差しを浴びつつ荒江方面に歩みを進めます。

「弓の馬場交差点」に差し掛かると右手にアーケード付きの商店街が出現します。これが今回ご紹介する「弓の馬場商店街」です。
アーケードにはテナントさんの看板がひしめき合ってます。中にはすごくレトロな雰囲気の看板なんかもあったりするんです。

商店街の看板もありました。正式には「弓の馬場名店街」と呼ぶようですね。この商店街はなんでも昭和40年代から営業しているそうですよ。
商店街を荒江側からみるとこんなカンジです。蔦が絡まった建物が歴史を感じさせてくれますね。

サラッと歩くと短い商店街のようですが、実は奥にもお店があるんですよ。矢印に導かれつつ奥へと入ってみましょう。

路地には主に飲食系中心のお店が入っています。地元の方と笑顔で談笑する店主さんや買い物に訪れたおばあちゃん達。まるでここだけ時間がゆるやかに流れているようです。
奥には昔ながらの面影を残す中華料理店さんもありました。一見大通りからは見えませんが地域のみなさんに愛されるお店がちゃんと生きづいているんです。
残念なのは他の商店街と同様に退店されたお店も少なくなく、空き物件もちらほら見えた事。個人的にはこういった場所にこそ地域密着型のカフェがあって欲しいと思うのですが・・・。
なお、商店街の途中には西鉄バス「別府四丁目バス停」もあります。心地よい気候の中、バスで「途中下車の旅」として訪れてみるのもいいかもしれませんね。

というわけで、ずっと前から行ってみたかった「弓の馬場商店街」のリポートでした。ここには今回の取材で初めて訪れたんですが、実際にこの空気に触れてみてノスタルジックな感覚を体験したというだけでなく、今なお地域住民から愛されている商店街なんだなということを肌で感じることが出来ました。
今、大手のショッピングセンターの台頭や一都市集中型の街づくりのために全国的な商店街の空洞化が叫ばれていますが、昔ながらの面影を残すたくさんの人々の思いがこもった「商店街」という存在は、老若男女問わない「公共のコミュニケーションの場」であるし、街の歴史を見つめ続けてきたという意味では「最も身近な街の重要文化財」であり、どの街にも必ず必要なものであると考えています。
古き良き商店街はこれからもずっと在り続けて欲しいと心から願います。
★弓の馬場商店街の一部には立入禁止のエリアもありますのでご注意下さい。
(May 2006. suede)


■弓の馬場商店街へのアクセス
国道202号線を六本松から中村学園大学を過ぎ、荒江方面に進んでいると「弓の馬場」の交差点があり、その右手が商店街になっています。

■この近くのカフェ
少し手前の鳥飼にはカフェを併設したパン屋さんBuono Buonoもあります。カフェめぐりがてら是非弓の馬場商店街にも足を運んでみて下さいね。

 


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