2020年2月。前年末より患っていた喉にできた嚢胞の手術も無事終わり、ようやくひと段落!というタイミングで、久しぶりにカフェ巡りの旅に出かけることにしました。行き先はかねてより一度行ってみたいと思っていた、岡山県倉敷市と香川県高松市。今回のテーマは「電車と船でゆく、歴史とアートとカフェの旅」でございます。一泊二日のゆるっとしたぶらり旅の模様をぜひご覧下さい。

1日目

出発の朝がやってきました。事前に購入した「焼き栗」を味わいながら、新幹線で揺られること2時間。岡山駅へと降り立ちました。ここからJR山陽本線に乗り換えて、4駅先の倉敷駅に到着。今回がはじめての倉敷訪問なのですが、イメージより大きい街でビックリしました。後から調べたところ、中国地方でなんと三番目の人口(約48万人)を擁するんだそうです!この倉敷駅から徒歩で15分ほど歩きます。

やってきました。こちらが最初の目的地である「倉敷美観地区」。この地区にはかつて天領だった時代を偲ばせるように、倉敷川に沿って白壁なまこ壁の屋敷や蔵が並んでおり、倉敷随一の観光名所となっているんです。さらに付近には個性的なショップがたくさん立ち並んでおり、沢山の観光客で常に賑わっています。まずは、事前にチェックしていた「倉敷デニムストリート」に行ってみることにしましょう。

倉敷と言えば、国産ジーンズの聖地としても有名な町(この辺の詳細は後述します)。この「倉敷デニムストリート」は個性豊かなデニムの雑貨商品や、デニムの本場・児島ブランド商品を扱ってるお店。中でも有名なのが、デニムをテーマにしたオリジナルメニューを販売していること。早速「デニムタピオカ」と「デニムまん」を食べてみることに。どちらもデニムらしい「ど・ブルー」です!デニムまんは、見た目のインパクトとは裏腹に、普通においしい肉まんでした。ちょっとドラクエのスライムっぽかったけどね…。倉敷美観地区に行った時には記念に是非食べていただきたいです♪

倉敷デニムストリート
岡山県倉敷市中央1-10-11/営業時間 9:30~17:30(季節により変動)/定休日 年中無休
https://ameblo.jp/kurashiki-denimstreet/

デニムメニューで小腹を満たしたあとは、美観地区内を散策。カフェやかわいい雑貨屋さんやマスキングテープ屋さんなど、いろんなお店が軒を連ねているので、ぶらぶら歩きながら立ち寄るのも楽しいです。女性ならなおさら楽しいんじゃないかなー?散策しているうちに、天気が急変。いきなり冷たい雨がざーっと降ってきました。あらあら、どこかで少し雨宿りしないとな…。

あたりで雨宿りの場所を探していると、蔦に覆われた古い洋館と出くわしました。よく見ると喫茶店のようです。名前は「珈琲エル・グレコ」。年季の入った外観や、色あせた看板を見るところ、かなり古い年月が経過していることがわかります。その外観はとってもフォトジェニックで、美観地区を訪れた観光客が建物をバックに記念撮影していました。さっそく中に入ってみることにしましょう。

このエル・グレコは、美観地区にある日本を代表する私立美術館「大原美術館」に隣接しており、創業したのは1959年とのこと。店名は大原美術館に展示されている絵画「受胎告知」の作者である「エルグレコ」の名前から拝借したんだとか。店内は創業当時の面影を残しながらも現代的にリニューアルされていました。深めのコーヒーとカステラでゆっくり休憩し、後ろ髪を引かれつつ美観地区を後にします。

EL GRECO
岡山県倉敷市中央1-1-11(大原美術館隣)/営業時間 9:20~17:20/定休日 月曜日
http://www.elgreco.co.jp

倉敷から一旦岡山まで戻り、次に目指すのは瀬戸内海の向かいにある香川県高松市。岡山駅から高松駅までは快速電車の「マリンライナー」が終日運行されており、たった一時間で高松まで行けるのです!本州と四国がこんなに簡単に行き来できることにビックリ。瀬戸大橋を渡っている際、対岸に四国が見えた時にはちょっと感動しちゃいました。日が傾くころ、終点の高松駅に到着。ここで高松をアテンドしてくれる方と合流し、次の目的地を目指します。

高松駅から海沿いを歩いて20分ほどの場所にあるのが、築100年の倉庫街をリノベーションした「北浜alley」。カフェ、レストラン、雑貨やアートなどの個性的なショップが入居する商業複合施設です。その二階に、今回の旅の一番の目的とも言えるカフェがあるのです。その名は「umie(ウミエ)」。高松…いや、香川で人気ナンバーワンのカフェと名高い有名店。四国に行った時にはずっと行ってみたい!と思っていたので、今回やっと念願が叶いました。階段を上りドアを開けると、まずは「umie」の店名だけが記された黒いドアが出現。そのドアの先に、素晴らしい空間が広がっていました。

エントランスからは想像もできないほど広々とした空間。高い天井からは大きなドライフラワーが垂れ下がり、開放感も抜群です。フロアには、センスの良い様々な形のテーブルや椅子が点在。また、いたるところに本や雑貨もディスプレイされています。これって、この空間って…まさに、20年前に全国を席巻した「東京カフェブーム」時代のカフェを彷彿とさせてくれるじゃないですか!一番大好きだった時代のカフェそのもの!!それが2020年風にブラッシュアップされていて、抜群にかっこいい空間に仕上がっているのです。

この「umie」の最大のみどころは、何と言っても窓からの景色。海側のカウンター席から高松港が見渡せるのです。ちょうどカップルさんがこの席に座っていて、後ろ姿がとても絵になっていました。ちなみに夕方の日没の時間が一番の狙い目なんだそうですよ。ここでオーダーにしたのは、人気メニューの「キャラメルチーノ」。カップの上にふわふわのフォームドミルクがたっぷりの、甘くてほろ苦いドリンク。取っ手の部分がくるんとしたロゴ入りの可愛いマグカップで提供されます。念願だった至極のカフェで、ゆったりとした時間を心ゆくまで堪能させていただきました。

umie
香川県高松市北浜町3-2 北浜alley-h/営業時間 10:00〜23:00/定休日 WEBにてご確認下さい
https://www.facebook.com/umie.ao

はじめての高松の夜。ディナーは何にしようかと尋ねてみると、香川は「骨付き鳥」が有名とのことで、商店街の中にある骨付き鳥の有名店「寄鳥味鳥」に行ってみることに。早い時間の入店だったので無事に座れましたが、着席後すぐ満席になって、階段を見るとすでに行列ができていました。すごい人気ぶり。メニューを見るとトップに「骨付き鳥」が記載されていて、「若どり」と「親どり」の2種類がありました。せっかくなので両方をオーダーして食べ比べしてみることに。「若どり」の方は柔らかくてジューシー、「親どり」の方は歯ごたえがあり、凝縮した旨味を感じられました。個人的にはやっぱり「若どり」が好みでした♪

寄鳥味鳥
香川県高松市兵庫町1-24 2F/営業時間 17:00~22:00(L.O.21:30)/定休日 土曜日 (三連休の場合は土曜営業、連休最終日休業)
https://tabelog.com/kagawa/A3701/A370101/37000753/

今宵のお宿は「WeBase高松」。旅行者や世界中の若者層バジェットトラベラーの受け皿として誕生したコミュニティホステル。商店街からも近く便利な立地にありました。建物の上には、WeBaseのアイコンとなっているパブリックアート「SHIP’S CAT」の巨大なオブジェが建っていて、室内にも「SHIP’S CAT」が見え隠れ。旅の疲れを癒すべく、とっとと眠りに落ちました。(ちなみにWeBaseは博多にもあります)

2日目

2日目は早朝に起床。カーテンを開けるとまぶしいくらいの晴天が広がっていました。高松港まで移動し、フェリーに乗り、瀬戸内海に浮かぶ島・直島を目指します。高松市の北約13kmに位置するこの直島は、島の半分ほどに様々なミュージアムが点在しており、高松有数の観光地となっているのです。約50分で直島の宮浦港に到着。港のそばには、草間彌生さんの作品「赤かぼちゃ」が展示されており、いきなりテンション上がっちゃいました!なかなか大きな島なので、徒歩での移動は厳しいとのことで、近くで電動アシスト式の自転車をレンタル。これで島を散策してみることに。

冷たい風をものともせず、電動アシスト自転車(これがめっちゃ快適!)で島内を散策していると、一軒のコーヒー屋さんを発見しました。その名は「アカイトコーヒー」。古い民家をリノベーションしたカフェになっていて、手書きの看板が実にいい味を醸し出してます。なんでもこの民家は、店主さんのおじいさんとおばあさんが手作りで建てたんだとか!さらにその昔、この場所には映画館があったんだそうです。自転車を停めて、いざ店内へ。

昭和時代の民家の雰囲気がそのまま息づいている店内。朝から何も食べてなかったので、自家焙煎のコーヒーとシナモントーストをオーダー。ランチョンマットはデニム製で、ポケット部分がカトラリーホルダーになっているのがとっても可愛かったです!本棚にはたくさんの本があり、店内で気軽に読むことができ、気に入ったら購入もできるんだそうですよ。しっかり暖をとったので次の場所を目指します。

アカイトコーヒー
香川県香川郡直島町宮ノ浦2269/営業時間 7:00〜17:00/定休日 WEBにてご確認下さい
https://www.instagram.com/akaitocoffee/

直島の東側にある「本村エリア」までやってきました。ここにあるのが「ANDO MUSEUM」。その名の通り、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏が設計した打ちっ放しのコンクリートの空間が、築約100年の木造民家の中に広がっています。木とコンクリート、光と闇。対立した要素が重なり合う、小さいながらも安藤忠雄氏の建築要素が凝縮された空間です。残念ながら撮影NGだったので、入り口のみ撮影させていただきました。

次にやってきたのは、島の南側にある「地中美術館」。先ほどの安藤忠雄氏が設計した館内には、クロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が恒久設置されています。建物は、瀬戸内海の美しい景観を損なわないよう、大半が地下に埋設されていて、地下でありながらも自然光が降り注ぎ、四季を通して作品や空間の表情が刻々と変わるんです。この美術館の中に、行きたかった「地中カフェ」があるのです。

美術館の一角に、その「地中カフェ」はありました。カフェの店内も美術館同様、コンクリートで構成された素敵な空間でした。大きな窓から望む瀬戸内の美しい海と風景は、まさに「絶景カフェ」にふさわしい素晴らしき眺め!(但し残念ながら建物内の撮影はNGだったので、メニューと窓越しの風景写真のみですいません)。ここでしか飲めない「空色コーラ」とチーズケーキを頂きながら、至福のひとときを過ごさせてもらいました。

地中カフェ
香川県香川郡直島町3449-1 地中美術館内/営業時間 3月1日〜9月30日は10:30〜17:45(ラストオーダー17:30)、10月1日〜2月末日は10:30〜16:45(ラストオーダー16:30)/定休日 地中美術館の休館日に準ずる/※地中カフェは美術館内にあるため、カフェのみのご利用はできません。
http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html

地中カフェを存分に堪能してから、自転車で宮浦港まで戻ります。こちらの風景は地中美術館から宮浦港まで戻る時に撮影した写真。海も空も真っ青で、あたり一面がキラキラと輝いていました。頬を撫でる2月の冷たい風さえ、実に心地良く感じました。遠くには本州と四国を繋ぐ瀬戸大橋の姿も拝見できました。短い時間でしたが、直島を満喫できました。
宮浦港からまた船に乗り、次は対岸の岡山県にある宇野港に向かいます。

宇野駅から電車に乗り、向かった先が今回の旅の最終地となる、岡山県倉敷市の児島地区。この町は「国産ジーンズの聖地」と呼ばれています。なんでも児島は干拓地で、元々木綿の栽培が盛んに行われていたそう。木綿の織りや縫製技術を基盤に「繊維の町」として発展を遂げ、やがて日本ではじめてジーンズを国産化し、国産ジーンズの発祥の地として広く知られるようになりました。駅前にジーンズが吊り下げられているのにもビックリでした!

せっかく「国産ジーンズの聖地」に来たので、人気ジーンズブランド「ベティスミス」が手がけている「ジーンズミュージアム」を覗いてみることに。ここは国産ジーンズの資料館。それぞれの時代のジーンズや古いミシン、ポスターなど貴重な資料などが展示され、ジーンズの歴史や生産工程などがわかりやすく紹介されています。建物の2階ではオーダーメイドのジーンズが作れたり、デニムストラップ作り体験ができたりと、ジーンズ好きにとって、たまらない場所でした♪

「ジーンズミュージアム」を楽しんだ後は、地元ジーンズメーカーのショップが連なる「児島ジーンズストリート」に移動。せっかくなので国産ジーンズを購入しようと思い、数店のショップを巡りながら探してみたのですが…僕の悪いクセなのが「服に関しては、試着しながらじっくり選んで決めるタイプ」というところ。選んでいるうちにあれやこれやと悩んでしまい、結局購入せず…。何も買わずじまいで、今回の旅の最後のカフェとなる「NEIGHBOR COFFEE COMPANY」へ。

こちらの「NEIGHBOR COFFEE COMPANY」は児島ジーンズストリートの入り口に位置する、児島を代表するコーヒーショップ。螺旋階段を上ってお店のある2階に着くと、テラスを設えたスタイリッシュでクールな空間が広がっています。店内には古いMAC(しかも何と懐かしいEMAC!)やDJブース、バンクシーのアートなどが飾られていて、バツグンのセンスの良さが伺えました。

だんだんと日没の時間が近づいてきました。オーダーした温かいカフェラテを飲みながらテラス席に座り、暮れゆく児島の街をゆっくりと眺めてから帰路につくことに。児島から岡山駅まで行き博多へと戻りました。後で気づいたのですが、最後に岡山名物食べるの忘れてた…えびめし、食べたかったなあ(涙)

NEIGHBOR COFFEE COMPANY
岡山県倉敷市児島味野2-2-39 幸和ビル2F/営業時間 8:00〜19:00/定休日 木曜日
http://www.neighbor-coffee.com

ハイ、ということで、あっという間の一泊二日の旅でございました。なかなか詰め込みすぎのハードスケジュールで、歩き疲れた感ハンパなかったですが、タイトル通り、歴史とアート、そして素晴らしいカフェに出会うことができた、とっても楽しい二日間でした。これまでなかなか縁のなかった岡山や香川でしたが、わざわざ行ってみて本当に良かったと思いました。日本もまだまだ知らない場所がたくさんあるんですね。まだ知らぬ素敵なカフェに巡り合うために、これからも旅を続けて行こうと思います。







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