今回はフランス・パリにあるビジョナリーアーツの提携校「EBP校」よりパティシエのエロディさんが来福され、フードクリエイト学科の学生を対象に、クリスマスに向けた「ラ・ビュッシュ・ドゥサー・ド・ノエル」づくりの特別授業を行いました。さて、一体どんな仕上がりになったのでしょうか?(2018.12)
今回講師を務めて頂くのは、EBP校を代表してきて下さったエロディさん。EBP校はフランス・パリにある製菓・製パンの学校で、元々は製粉会社が街のパン屋さんの技術向上のために開校した学校なんだそう。エロディさんの帽子の赤いワッペンには「VIVRE SA PASSION(日本語で「あなたの情熱に生きる」という意味)」という言葉が記されていました。
聞いたところによると、エロディさんはラ・レユニオンというインド洋に浮かぶフランスのレユニオン島のご出身なんだそう。ラ・レユニオンは最高級バニラの産地で、サトウキビなどの栽培も盛んな場所なんだそうで、そんな地域で生まれ育ったエロディさんは、将来パティシエになることを夢見てパリに渡り、現在はEBP校でパティシエの卵たちに製菓の技術を教えているんだそうです。
エロディさんのデモンストレーションを聞きながら、ひと言ひと言をメモしていく学生たち。今回作るのは「ラ・ビュッシュ・ドゥサー・ド・ノエル」というもの。クリスマスでお馴染みのブッシュ・ド・ノエルのことです。ちなみにドゥサーとは日本語で表現すると「包んでくれるような優しさ」や「心が安らぐような甘さ」を意味するんだそうですよ。
それでは班に分かれていよいよ実技に入ります。まずは土台となるロールケーキの生地づくりから。砂糖・卵・小麦粉を混ぜ合わせてから平らに仕上げ、180℃のオーブンで焼き上げます。次にカシスとブルーベリーのコンポートとサツマイモのムースを焼き上げた生地の上に平らに塗り重ねていきます。
ムースを塗り終えたら、なるべく空気が入らないよう、キツめにクルクルと巻いていくと…一見ロールケーキのようなブッシュ・ド・ノエルの土台が完成しました。土台のピンクは赤い色粉で着色するのですが、班によって色粉の量がまちまちなので、中にはビビッドなピンク色に仕上がっていた班もありました。
土台が完成したら、次はマスカルポーネのホイップクリームの絞りに入ります。今回エロディ先生からはフランスの伝統的な絞り方を現代風にアレンジした「ロザス」「ユニ」「サント」という3種類の絞り方を教えていただきました。なるべく隙間ができないように、一心不乱にホイップクリームを絞り続ける学生たち。見ている側にも緊張感が伝わってきます。
ホイップクリームの絞りが完成したら、次はデコレーション用のモミの木づくり。チョコレートを手でひねりながらモミの木の形に成形し、チョコレートにとっぷり浸して乾燥させると、カラフルなモミの木の飾りが完成します。エロディ先生も各班をまわりながら、成形のポイントを細かく教えて下さいました。
そしてホイップクリームを絞った土台の上にモミの木をデコレーションします。どの位置にどの色のモミの木を置くのか、各班相談しながら飾り付け。ワイワイ・ガヤガヤとみんななんだか楽しそう!最後はクリスマスらしく、上から金のスプレーを散りばめると、いよいよ「ラ・ビュッシュ・ドゥサー・ド・ノエル」の完成です!
こちらが完成した「ラ・ビュッシュ・ドゥサー・ド・ノエル」。美しく絞られたホイップクリームの上に、チョコレートのモミの木やベリーが飾られ、散りばめられた金のスプレーが良いアクセントになっています。ピンクとパープルとイエローの断面もとってもキュート。見るからに美味しそうですね♪
最後はエロディさんと一緒にみんなで記念撮影!学生のみんなも満足のいく仕上がりになったようで、みんなとっても喜んでいたようです。
というわけで、エロディさんによる特別授業の模様をお伝えしました。スイーツの本場・パリの先生による特別授業とあって、きっと学生にとっては良きスキルアップに繋がったのではないかと思います。エロディさん、本当にお疲れさまでした。