お店というものが存在しないような、南大橋の住宅地。なだらかな坂の途中に金曜と土曜日だけ現れるという珍しいカフェがある。そう聞きつけて向かったのが今回ご紹介する「きんど」。名も知らぬ草木や、季節の花々が生い茂る、住宅地の中の「小さな森」の傍らに位置し、真夏でもクーラーいらずの心地よい風が吹き抜ける自然と調和したカフェ、ならぬ「いきぬきどころ」です。
この「きんど」のオーナーを務めるのは「居場所作家」という珍しい肩書きをお持ちの古庄さん。福岡を中心に個性的なショップや住宅の建築やプロデュースといった「居心地の良い場所を作る」お仕事の傍ら、かつて大橋で「可能性を売る店・みせ」という、様々な作家から持ち込まれた作品を販売する店をなさっていたそう。「みせ」の閉店後、次は何をしようか考えていた時、自宅の裏手にあったお気に入りの「小さな森」をいろんな人に感じて欲しいとの思いから、自ら住居を改装。「息を抜く場所=いきぬきどころ」として2009年5月にオープンさせたんだそうです。
縁側で靴を脱ぎ、森の静けさと風を感じつつ、おかわり自由なコーヒーや紅茶(どちらもなんと¥350!)を頂きながら過ごせる空間はまさに「いきぬきどころ」。「みせ」時代の個性的な作品も数多く点在しているので、かなり楽しめますよ。
金曜と土曜しか開いていないのが残念ですが、ぜひ時間を作ってわざわざ出かけてみて頂きたい、そんなお店ですね。
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南大橋の住宅街の坂道の途中で見つけた小さな看板。この奥の建物が目指す「きんど」。建物の横にある石積みの階段を登ります。
緑が溢れる庭を眺めつつ、さらに奥へと進むと看板がありました。縁側部分が入口。靴を脱ぎ「こんにちは」と中へ入りましょう。
店内は吹き抜けづくり。一枚板の大きなテーブルには座布団が敷かれ、その横には何故か年代物の冷蔵庫が。暖炉もありましたよ。
店内には「可能性の店・みせ」時代に販売していたという、一風変わった味のある作品が点在。どれも個性的で眺めているだけでも楽しい!お子さんによる…?手書きのメニューボードもかわいいです。
こちらのテーブルはなんと跳び箱を利用したもの。このように至る所に面白い仕掛けが見え隠れしています。上階は古庄さんの住居との事で、時折楽しそうに遊ぶお子さんの声が聞こえていました。
手作りのシフォンケーキのセットは¥600。美味しく頂きながら、ダラダラと本や雑誌を読むも良し、古庄さんご夫妻との会話を愉しむも良し。思いっきり息を抜いて「きんど」のひとときを楽しんで下さい。