大分市街から少し離れた場所にある「戸次」地区。かつて日向道に沿う街道を行き交う人でにぎわったこの地で酒造業を営み、地元の名士となった帆足家。当時文人墨客に愛されたという大きな酒蔵や庭園を要した邸宅は、現在「富春館」として多くの観光客を迎えています。2001年、敷地内の一角にあった明治時代の蔵を、当時の面影を残しつつリメイクし、「カフェ桃花流水」が誕生。かつての日本の伝統文化を感じられるカフェとして独特の存在感を放っています。
メニューは和洋のスウィーツから創作イタリアン、天然酵母ピザなどのフードまで、支配人の帆足さんが考案したという自家製レシピに基づいて、ひとつひとつ心を込めて手作りしたものばかり。常に見た目の華やかさよりやさしい味を心がけているそうです。
なお、桃花流水のある「富春館」はこのほかにも大分市有形文化財に指定された酒蔵や、庭園、慶応元年作という風格漂う本家など、歴史を感じられる見どころが盛りだくさん。大分に行ったときは、ぜひ一度足を運んでみて頂きたいですね。
門を抜けると青々とした草木の茂る庭園が出現。しばし眺めつつ左手へ進むとカフェ桃花流水、右手には同店名のレストランがあります。
ひび割れた土壁や縦横に伸びる梁など明治時代の面影あふれる店内。テーブルの天板は酒樽の蓋、足は蒸籠など、当時の道具を上手く再利用。
吹き抜けの2階はクラシカルな家具が据えられた贅沢な極上席。時折ギャラリーとしても使われているそう。
土壁はひび割れすら明治時代そのまま。至る所に「作り物ではない真の歴史」を感じることが出来ます。
支配人の帆足さんが京都で購入したという趣のあるメニューブックは、軽石と木で作られた秀逸な一品。この空気感にとても良く似合います。
独特の食感がクセになりそうな「米粉の和三盆ロール」はドリンクとセットで¥840。敷地内の「一楽庵」にてテイクアウトもできます。